サッカーの試合は通常11人で行われ、そのうち1人はゴールキーパーとされています。
しかし、ゴールキーパーも他のフィールドプレーヤーと同じように、反則を犯した場合はイエローカードやレッドカードを受け、場合によっては退場処分となる場合があります。
もしゴールキーパーが退場となってしまった場合、その後の試合はどうなるのでしょうか?
今記事では、
- ゴールキーパーが退場になった場合はどうなるのか?
- ゴールキーパーの退場は、試合にどんな影響をもたらすのか?
を解説していきます。
過去には、ゴールキーパーとフィールドプレーヤーが交代した事例もあります。
サッカーの豆知識として、キーパーの退場問題について是非学んでおきましょう!
ゴールキーパーが退場したらどうなる?
ゴールキーパーが退場処分になったら、
- 控えのゴールキーパーが出場する
- フィールドプレーヤーがゴールキーパーになる
どちらかの対応が必要になります!
サッカーのルールでは、ゴールキーパー無しで試合をすることは認められていません。
JFAの競技規則第3条で
「試合は、11人以下の競技者からなる2つのチームによって行われる。そのうち1人は、ゴールキーパーである。」
JFAより
と決められていて、ゴールキーパーなしでは試合は成立しません。
それでは、それぞれのケースについて解説していきたいと思います!
控えのゴールキーパーが出場する
ゴールキーパーが退場となった場合に最初に考えられる方法が、「控えのゴールキーパーが出場する」です。
大抵のチームは、ゴールキーパーの退場や負傷の場合に備えて、控えにゴールキーパーが1人待機しています。
万が一ゴールキーパーが退場になってしまった場合は、フィールドプレーヤーを1名下げて控えのゴールキーパーが出場することになります。
フィールドプレーヤーがゴールキーパーになる
控えにゴールキーパーがいなかった場合や、すでに交代枠を使い切っている場合はどうなるのでしょうか?
この場合は、フィールドプレーヤーの誰かがゴールキーパーとしてプレーすることになります。
そんなケースないでしょ〜と思う方も多いと思います(笑)
実際かなり珍しいパターンですが、フィールドプレーヤーがゴールキーパーとしてプレーした事例はいくつか存在しています!
ゴールキーパーとフィールドプレーヤーが交代した実例
ゴールキーパーとフィールドプレーヤーが、交代した事例を二つ紹介します!
今回紹介する事例は二つですが、過去を振り返ると、キーパーとフィールドプレーヤーが交代した事例はかなりあります。
気になる人は、是非調べてみてくださいね。
それでは、ゴールキーパーとフィールドプレーヤーが交代した実際の事例を解説していきます!
2011年ブンデスリーガ第6節の事例
2011年のブンデスリーガ第6節、ヴォルフスブルク対ホッフェンハイム戦の事例を紹介します。
この試合でフィールドプレーヤーながらGKとしてプレーしたのは、元日本代表キャプテンの長谷部誠選手です。
後半35分に味方GKが一発退場となったヴォルフスブルクはすでに交代枠を使い切っていて、選手交代ができない状況に。
そこで、ゴールキーパーとしてプレーしたのが長谷部選手です。
後半35分から約10分間ゴールキーパーとしてプレーしましたが、キック制度の高さやクロスの対応がめちゃくちゃ上手かったです!
チームは追加点を許し、1対3で試合に敗れる形にはなりましたが、長谷部選手のフィールドプレーヤーとは思えない動きに賞賛の声が上がりました!
2003年J2リーグ第24節の事例
2003年のJ2第24節横浜FC対大宮アルディージャの事例を紹介します。
横浜FCはゴールキーパーに負傷者が相次ぎ、控えにキーパーを入れることができない状態で試合に臨みました!
しかし、前半開始1分。チーム内唯一のGKとして出場した菅野選手が相手シュートをペナルティーエリア外でセーブしたとして一発退場に、そこでGKとしてプレーするようになったのがDFの河野淳吾選手。
なんと89分もの間、フィールドプレーヤーがGKとしてプレーすることになったのです。
小学校時代も含めて、GKとしてプレーするのは初めてだったという河野選手は好セーブを見せるも3失点を喫しチームは敗北。
やはりフィールドプレーヤーと違い、GKは特殊なポジションですので、難しさがあるのかもしれませんね。
ゴールキーパーの交代ルール
ゴールキーパーの交代ルールは、2つあります!
- プレーの停止中に主審に通知してから入れ替わる
- フィールドプレーヤーと異なるユニフォームの色を着用する
それぞれのルールについて解説していきます。
プレーの停止中に主審に通知してから入れ替わる
当たり前のルールですが、プレーの停止中に主審に通知してから入れ替わる必要があります。
サッカー競技規則の第4条で、
「ゴールキーパー以外の競技者は、次の条件でゴールキーパーと入れ替わることができる。」
・入れ替わる前に主審に通知する。
・プレーの停止中に入れ替わる。
JFA競技規則より
このように言及されています。
当たり前のルールですが、このルールがないと気づいたらキーパーとフィールドプレーヤーが入れ替わっている事があるかもしれませんよね。(まあ、ありえないと思いますけど笑)
無駄なトラブル防止のために、定義されているルールなのだと思います!
フィールドプレーヤーと異なるユニフォームの色を着用する
ゴールキーパーは、他のフィールドプレーヤーと異なる色のユニフォームを着用することが、ルールで決まっています。
実際のサッカーの試合を見ていてもゴールキーパーだけ、ユニフォームの色が違いますよね!
サッカーの競技規則第4条にて、
それぞれのゴールキーパーは、他の競技者、主審、副審と区別できる色の服装を着用しなければならない。
JFA競技規則より
キーパーのユニフォームの色について言及されています!
なので、試合前のキーパーのユニフォームの色は勿論ですが、試合中にゴールキーパーが退場になった場合もこのルールが適応されます。
仮にフィールドプレーヤーがゴールキーパーとしてプレーする際も、このルールによってユニフォームを着替えないといけません。
ゴールキーパーの退場が試合に与える影響
ゴールキーパーが退場となってしまった場合は試合に大きな影響が出ます。
一人少ない状況で戦わないといけなくなり、必ず1人はゴールキーパーを配置しないといけないというルール上、実際にフィールドプレーヤーとしてプレーするのは9人ということになり、大きな数的不利となります。
このような場合は一般的に、システムや戦術の変更を余儀なくされるパターンがほとんどです。
一例としてはFWの選手を1人下げてDFの選手を入れる、中盤の守備的な選手をそのままDFとして下げてプレーさせるなどが考えられます。
また、試合状況によっては残り時間を考えて戦い方を変える必要もあるかもしれません。
1対0でリードしている展開で、残り時間も少ない。
そんな状況の中キーパーが退場になり、1人少ない状況ということであれば、チーム全体で自陣に引いて1点を守り切る戦い方ができるでしょう。
逆に0対1でリードされている展開であれば、1人少ないとは言えどうにか点を取りにいかないといけません。
このような場合はしっかりと守備をしたうえで素早いカウンターから得点を狙う戦い方が考えられます。
実際試合中にゴールキーパーが退場となった時は、その時の状況や試合展開などによって大きく戦い方を変える必要も出てきます
キーパーのレッドカードの基準とは
ゴールキーパーが退場となる理由は様々ですが、レッドカードにより一発退場となる例としては、
- 乱暴な行為を犯す
- 著しく不正なプレーを犯す
- 決定的な得点機会の阻止(DOGSO)
などがあります。
直近では、先日行われたU23アジアカップの日本対カタールの1戦でカタールのGKが一発退場となったシーンがありましたが、これはおそらく「乱暴な行為」と判断されたのではないかなと感じています。
その他にもGKの反則として主なものは、
- ボールを6秒以上持ち続けた
- バックパスのボールを取った
- ペナルティーエリア外でボールに手で触れた
などがあります。
ゴールキーパーとは言え、ペナルティーエリア外で手を使うのは反則ですし、6秒を超えてボールを保持することもルール上はファールとされます。
そしてこれらの行為は警告、つまりイエローカードの対象となりますので、同じ試合でキーパーが2枚イエローカードを受けてしまうとそのキーパーは退場処分となります。
ゴールキーパーが退場したらどうなる?まとめ
ゴールキーパーが退場となった場合は、控えのゴールキーパーを投入するのが一般的です。
しかし、不測の事態として控えのゴールキーパーがいない場合や、交代枠を使い切っている場合はルール上、フィールドプレーヤーの誰かがゴールキーパーを務めなければなりません。
そしてその後の試合では、1人少ない状態での戦いとなる為、フォーメーションや戦術など戦い方を変える必要もあります。
もし実際の試合でゴールキーパーが退場になった場合は、その後のフォーメーションや戦い方がどうなるかに注目してみると面白いでしょう。
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