自分の応援しているサッカーチームの監督がレッドカードで退場になってしまった!
ものすごい衝撃が走り、頭の中にいくつもの「?」マークが思い浮かび、心の整理に時間がかかった。
そんな経験はありませんか?
「なんで退場になったんだ?」「次の試合はどうなるんだろうか?」「監督はいつまでベンチにはいれないのかな?」という不安と疑問の数々が浮かびますよね。
今記事では、サッカーの監督が試合中にレッドカードを提示されたらどうなるのか?を解説していきます。
実際に監督がレッドカードで退場した事例や処分内容を紹介しながら、解説していきたいと思います。
サッカーの監督はレッドカードでどうなる?
監督にレッドカードが出ると、選手同様に退場処分になります。
そして、退場内容や理由によっては
- 次節試合以降の出場停止処分
- 罰金刑の処分
も発生します!
過去には、レッドカードの対象が競技者のみの時代もありましたが、2019年にIFAB(国際サッカー評議会)が発表した国際ルールの変更から大きくルールが変わっています。
2019年の国際ルール発表以降は、イエローカードやレッドカードの対象は選手だけでなく、クラブ関係者(監督やコーチなど)にも適用されることになりました。
次節試合以降の出場停止処分
国際サッカー連盟(FIFA)の規定では、監督がレッドカードで退場した場合、1試合の出場停止となります。
その内容が特に悪質だった場合は、懲罰規定に従い、出場停止の試合数が追加される場合もあります。
監督にレッドカードが提示され、複数の出場停止となったケースを簡単に紹介します。
- PK判定を巡り、監督が審判へ暴言を繰り返した。内容に侮辱的なものがあったとして、2試合の出場停止
- 監督が相手選手へ暴力を振るったとして3試合の出場停止
審判への暴言が退場になる可能性があるのであれば、退場になりそうな監督は結構いそうですね(笑)
しかし、意外にもサッカーの監督にレッドカードが提示された事例は、主要リーグで年間に1回、あるいは2回程度のようです!
罰金刑の処分
サッカーの監督にレッドカードが提示された場合、罰金が課せられる事もあります。
罰金が課せられたケースを紹介すると、
- 副審に暴言を吐き、主審からレッドカードを提示された後に挑発行為をした→5000ユーロの罰金(約84万円)
- 相手選手と口論や小競り合いとなり、選手の顔に手をだした→25,000ユーロの罰金(約400万円)
などがあります。
二つのケースを見てみると、かなり悪質な行為での退場の場合に、罰金刑が課されるのかもしれませんね。
出場停止処分に加えて、罰金刑が課されるという仕組みなのだと思います!
監督が退場した場合のチームへの影響
監督はチームの戦術と精神的支柱です、監督の不在はチームにとって致命的な打撃となります!
サッカーにおいて、監督の存在感はピッチ内外に大きく影響します。
試合中の戦術指示や選手交代はもちろん、チーム全体を鼓舞し、勝利へと導く精神的な支柱としての役割も担っています。
監督が退場した場合は、以下の3点でチームに甚大な影響を与えてしまいます。
戦術がうまく機能しなくなる
監督は試合状況を分析し、適切な戦術指示を出すことでチームを勝利へと導きます。
しかし、監督不在では選手間で意思統一が難しく、戦術がうまく機能しなくなってしまう可能性があります。
モチベーションの低下
監督は選手を鼓舞し、モチベーションを高める役割も担っています。
特に苦しい状況では、監督の存在が選手を支え、最後まで諦めずに戦う力となります。
しかし、監督が不在では選手間の士気が低下し、本来のパフォーマンスを発揮できなくなってしまう可能性があります。
的確な判断の欠如
試合状況は常に変化しており、選手では対応しきれない状況も出てきます。
監督は豊富な経験と冷静な判断力で、こうした状況を的確に判断し、適切な指示を出すことができます。
しかし、監督不在ではこうした判断が遅れたり、誤った判断をしてしまう可能性があり、それが失点や敗北につながる可能性があります。
以上の3点を踏まえ、監督の退場はチームにとって非常に大きな痛手となることは明らかです。
たとえ優秀なアシスタントコーチやスタッフがいたとしても、監督の完全な穴埋めは不可能であり、チーム全体のパフォーマンスが大きく低下してしまう可能性が高いと言えるでしょう。
監督がレッドカードで退場した事例
監督がレッドカードで退場した事例を3つ紹介します。
- セリエAの騒乱レッチェ監督の退場と解任劇
- FAカップ準々決勝で審判に抗議したフルハム監督が退場
- U-23アジアカップ準々決勝で韓国代表監督が一発退場
監督はピッチ上でのプレーには直接関与しません。
そのため、得点機会の阻止や、いわゆるDOGSO(ドグソ)といった退場のケースはありません。
しかし、監督も選手達と一緒にチームの勝利に向けて、試合中に熱心に戦っています。
時には情熱がコントロールできなくなり、判定に対する不服から抗議をして、レッドカードが提示される事が多いようです。
それでは、各事例について紹介していきます。
セリエAの騒乱レッチェ監督の退場と解任劇
2024年3月に行われたイタリア・セリエAの試合で、レッチェの監督が相手チームの選手へ暴力行為があったとして、退場処分になりました。
レッチェはこの試合で敗北し、降格圏内に位置する厳しい状況に追い込まれました。
そして、この試合を機にレッチェの監督は解任されています。
チーム状況が悪く、残留争いに巻き込まれていたため、監督は重圧を感じていたのかもしれませんね。
判定に納得いかない事があり、相手選手への暴力行為に発展してしまった事例でした。
FAカップ準々決勝で審判に抗議したフルハム監督が退場
2023年3月のFAカップ準々決勝で、フルアム監督は審判を押して退場になりました。
決定機阻止で自チームの選手にレッドカードが提示されたことに対し、抗議した監督ともう一人の選手が審判を押してしまった事から2人同時にレッドカードが提示されました。
退場する前のフルアムは1-0でリードしていましたが、合計3人が同時に退場となった後、逆転を許し、敗戦となってしまいました。
リードしていた展開から、監督の退場劇で一転してしまう事例でした。
U-23アジアカップ準々決勝で韓国代表監督が一発退場
U-23アジアカップの準々決勝での激しい一戦で、後半のアディショナルタイムに韓国の監督は審判に執拗に抗議したことから一発退場となりました。
監督不在で延長戦を劣勢に強いられたU-23韓国代表は、状況を打開できず、インドネシアにPK戦の末に敗れ、ベスト8で姿を消しました。
この敗戦で韓国は9大会連続の五輪への出場記録が途絶えてしまいました。
大事な試合で監督の退場が与えた影響は大きい事例でした。
監督がレッドカードで退場してもスマホで指示はできる?
一度は、この姑息な手段を考えた事がある人はいると思います笑!
結論から言えば、監督がレッドカードで退場した場合、スマホで指示をすることはできません。
なぜなら、IFABが定める「サッカー競技規則」に反する事になるからです。
監督がスマホを使用して指示できない規則については
- 第4条 競技者の用具- 4. その他の用具-電子通信
- 第3条 競技者- 7. 競技のフィールドにいる部外者
が大きく関連します。
「第4条 競技者の用具- 4. その他の用具-電子通信」の内容を確認すると、
競技者は試合中にスマートフォンなどの通信機器を使用することができませんが、監督は安全や戦術、コーチングの目的であれば使用できるとされています。
JFA競技規則
以上のように言及されており、ベンチ内でスマホを使う事は許可されています!
しかし、「第3条 競技者- 7. 競技のフィールドにいる部外者」を併せて確認すると、
監督他、チームリストに氏名が記載されている役員(競技者または交代要員を除く)は、チーム役員である。競技者、交代要員またはチーム役員としてチームリストに氏名が記載されていない者は、外的要因とみなされる。
チーム役員、交代要員、交代して退いたもしくは退場となった競技者または外的要因が競技のフィールドに入った場合、主審は、次の行動を取らなければならない。
・それらがプレーを妨害しているなら、プレーを停止する。
・プレーが停止したときに、その者を競技のフィールドから退出させる。
・適切な懲戒処置をとる。”
IFAB競技規則
退場した選手や監督は、外的要因とみなされるようです。
なのでレッドカードで退場処分を受けた監督は、競技に関与できない外的要因と見なされるので、スマートフォンで指示を出すことは規則違反になります!
さらに、状況次第で懲戒処分の対象となり、チームにさらなるリスクをもたらす可能性があります。
フェアプレーの原則を重んじるサッカー文化において、監督は公正かつ慎重に行動することが求められます。
このようにサッカー競技規則に従い、退場処分を受けた監督が競技に関与できないことから、監督がレッドカードで退場した場合にスマホで指示をすることはできません。
サッカー監督レッドカードでどうなる?まとめ
サッカーの監督にレッドカードが出されるとどうなるのか?をまとめていきたいと思います!
- 退場と出場停止、罰金の罰則がある。
- レッドカードが提示される事例には審判への暴言や相手選手への乱暴などがあり、より悪質な行為を行った場合は、処分が重くなる。
- 監督にレッドカードが提示された時にチームに与える影響はとても大きい。
監督はチームにとって非常に重要な存在であり、冷静かつ適切な判断が求められます。
なので、監督のレッドカードでの退場は、チームにとって大きな痛手となります。
近年は監督がレッドカードを受ける事例も増えているため、監督も審判員への抗議などは慎む必要があるでしょう。
コメント